2021/10/12

家事の大変さがわかってもらえない本当の理由

家事は、生活をするうえで必要不可欠な大変な労働です。しかし、なぜか家事の大変さは周囲に伝わりづらく、軽視されてしまう傾向にあります。家事の大変さをわかってもらえず、やって当然と思われていていることに憤りを感じている方も多いのではないでしょうか。

今回は、家事が大変な理由を論理的に分析したうえで、どうしたら理解が得られるかについて考えてみました。

目次

家事の大変さを実感していても、何が大変なのかを聞かれたときに、うまく説明できないという方は多いのではないでしょうか。まずは、家事の大変さを論理的にご説明します。

労働の対価がない

家事は、どれだけ精一杯こなしても、労働に見合った対価が支払われるわけではありません。生活するうえで必要不可欠な労働であるため、やって当然と考えている人も多いようです。家族から感謝の言葉や労い(ねぎらい)の言葉などもかけてもらえないと、やりがいを感じづらく、モチベーションの維持が難しいといったつらさがあります。

家事には終わりがない

家事は、毎日の生活のなかで次から次へと発生するもので、終わりがありません。いくら頑張って終わらせたとしても、数時間後にはまた最初からやり直さなければならないこともあります。

専業主婦(夫)に対しては特に、「家事くらい完璧にやって当然」と考えている人も多いでしょう。家事には終わりがないのに完璧を求められるため、肉体的にも精神的にも追い詰められてしまうのです。

仕事と家事の両立が大変

共働きの場合でも、家事をこなさないことには生活が成り立ちません。やりたくなくても代わりにやってくれる人はいないため、放置すれば後の自分の負担が増えてしまいます。仕事から帰ってきても、やらなければならない家事が山積みになっていては、息をつく暇もなくなってしまいます。パートナーが家事に非協力的だった場合はさらに負担が増え、仕事との両立も難しくなってしまうでしょう。

家事の大変さが理解されない大きな理由は「家事・育児は女性がやって当然」という先入観をもっている人が多いためと考えられます。今の子育て世代の親世代では、「男は外で働いて、女は家庭を守るもの」という考えが一般的でした。

共働きの世帯は少なく、専業主婦の女性が当たり前のように1人で家事・育児をこなしていました。そのため、今の子育て世代にも「家事は母親の仕事」という先入観が植え付けられてしまっているのでしょう。

しかし、現代では女性の社会進出が進み、親世代に比べると働くママが圧倒的に増えています。共働き世帯が増加傾向にあるにも関わらず、家事・育児に関しては親世代の常識を基準に比較されるため、大変さが伝わりにくいのでしょう。

どの家事を「大変」と感じるかは人それぞれですが、やはり毎日やらなければならないことに負担を感じる方は多いようです。大変さを感じやすい家事を、ランキング形式でご紹介します。

第1位:料理

料理は、ただ調理するだけではなく、何を作るか献立を考えることから食材の買い出し、後片付けなどさまざまな工程が必要になります。料理が苦手な人にとっては料理を作ること自体に負担を感じるようですが、料理が得意な人でも、毎日・毎食作らなくてはいけないことに負担を感じることはあるようです。

第2位:洗濯

今は多くの家庭で全自動洗濯機を使用しているため、洗濯すること自体に負担を感じる方は少ないでしょう。しかし、汚れのひどいものは洗濯する前に下洗いが必要だったり、色柄や素材によって分けて洗ったりする必要があります。また、洗濯が終わった後も、干す・取り込む・たたむなど、多くの工程が必要になることも大変さを感じる理由のひとつといえるでしょう。

第3位:掃除

ひと口に掃除といっても、リビング・キッチン・トイレ・お風呂などさまざまな場所で、それぞれ異なる作業が必要になります。家が広ければ、その分掃除の負担も増えることになるでしょう。また、頑張って掃除をしても、生活をしていればすぐに汚れて再度掃除が必要になってしまうため、負担に感じる方は多いようです。

昔に比べて共働き世帯が大幅に増加しているにも関わらず、女性1人に家事や育児など、家の仕事を押しつけるのは無理があるといえるでしょう。家事が負担となり、仕事との両立が難しいと感じている方は、料理代行や家事代行サービスの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

「母親だから」「専業主婦だから」という理由で自分を追い詰める必要はありません。家事の大変さを共有し、少しでも負担を減らせるように、家族で相談してみてください。

家事の大変さがわかってもらえない本当の理由