2021/04/01

子ども用の防犯ブザーは効果的?事例を元に安全対策をご紹介

子どもの防犯グッズときいて、「防犯ブザー」をイメージする方も多いのでは?近年は登下校時の子どもの安全確保を理由に、防犯ブザーを配布する自治体やPTAも増えています。そこで今回は、防犯ブザーの有効性や効果についてご紹介しましょう。


目次



小学生の防犯対策において、ほぼ必携となっている防犯ブザー。防犯ブザーには、主に2つの効果があるとされます。1つは、犯罪抑止効果。「この子は防犯ブザーを持っている」「使われるとまずい」という心理作用が、犯罪者への威嚇に繋がります。

もう1つは、緊急事態であることを周囲に知らせる効果です。子どもは本当に恐怖を感じた際、声を出せないことがほとんどです。防犯ブザーを鳴らせば、助けを求められないときでも、周囲に気づいてもらえます。




防犯ブザーは、ただ持っているだけでは意味をなしません。緊急時に使うものだからこそ、子どもに正しい使い方を教えたり、動作確認や電池交換などのメンテナンスを行いましょう。

一般的な防犯ブザーは、警視庁が定めた「性能基準」を満たしています。音色・音量・連続吹鳴時間・操作性などに一定基準が設けられており、各項目をクリアした製品だけが販売されています。

しかし、防犯ブザーにはたくさんの種類があり、性能基準を満たさない海外製品が紛れているのも事実です。そのため、事前にブザーを鳴らして動作確認をする、子どもと一緒に使い方を練習することが重要となります。「防犯ブザーを持たせれば安心」と、過信するのはリスキーです。





犯罪抑止効果の高い防犯ブザー。実際は持たせるだけで、正しい使い方を教えない親御さんが少なくありません。というのも、「どのタイミングで鳴らすべきか?」「どんな相手に向けて使うべきか?」を判断するのは、大人でも難しいからです。

大手セキュリティ会社の調査によると、犯罪者の「声かけ」は年々巧妙化しているとのこと。一見綺麗な身なりで優しそうな人でも、略取・誘拐を企てる犯罪者の可能性は、ゼロではありません。悪い意味で、“人は見かけによらない”ものです。

さて、犯罪者の声かけには、いくつかのパターンがあるとされます。



  • 名前や学校名を質問してくる(連れて行って欲しいとお願いされる)
  • 「可愛いね」「格好いいね」と褒めてくる
  • 「○○を買ってあげるからついておいで」と誘惑する
  • 「お父さんが倒れたから一緒に来て」と不安を煽る



子どもの善意を利用したり、騙したりする極めて卑劣な手口。そこで、いずれの声かけにも「NO」と答えられるよう、親子で受け答えの訓練をしておきましょう。

鉄則は「知らない人には絶対についていかない」こと。どうしても迷ったときは、「お父さん(お母さん)にきいてみます」と答えるよう教えてください。犯罪者の声かけのパターンを知り、その対策を講じることが、子どもの防犯対策に繋がるのです。




防犯ブザーが子どもを守った事例は、数多く存在します。「静岡県警」が公開した被害防止事例によると、以下のようなケースが実際に起きたようです。



  • 県内の女子児童が下校中、「お菓子をあげるからおいで」と声をかけられたが、所持していた防犯ブザーを鳴らして難を逃れた
  • 県内の女子児童が下校中、「お菓子をあげるから車に乗らない?」と声をかけられた。女子児童は逃げたが車が追いかけてきたため、防犯ブザーを鳴らして難を逃れた



その口ぶりから、いずれも同一犯の可能性があります。ただ、防犯ブザーがなければ、略取・誘拐されていたかもしれません。ランドセルにぶら下がるほどの小さな機器が、女子児童の命を救ったのです。





子どもの防犯対策において、防犯ブザーは有効です。持っているだけで犯罪抑止力が高まり、緊急時は周囲に助けを求められます。正しい使い方、定期的なメンテナンスこそ必要ですが、子どもには必ず携帯させたい防犯グッズです。

防犯ブザーに加え、子ども用GPSを持たせると、迷子対策にもなります。子どもの現在地をほぼリアルタイムで把握できるため、防犯ブザーとともに携帯させたいところです。

子ども用の防犯ブザーは効果的?事例を元に安全対策をご紹介